けん玉でカラダも心も軽く

けん玉を持つ手元

きっかけは、紅白のあの盛り上がり

紅白歌合戦の恒例企画になっている、けん玉のギネス世界記録チャレンジ。参加した人たちのすごい喜びようを見て、「けん玉って、実はすごいものなのでは」と気になった方も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。

一般的に、「けん玉」と聞くと、子どもの遊び道具というイメージがあるかもしれません。

ですが、実はけん玉は、健康づくりの道具として、全国の自治体やフィットネスクラブ、大学の研究でも注目されているのです。

理由はとてもシンプルです。けん玉には、足腰の力・バランス力・頭の元気・心の元気を、一度に、しかも楽しみながら鍛えられるという魅力があるからです。

調べるほど、奥が深い

気になってけん玉のことを調べてみると、まず驚くのがその種類の多さです。カラフルなもの、木目を活かしたシンプルなもの、デザイナーが手がけたおしゃれなものまで、けん玉の世界は想像しているよりずっと広がっています。

けん先と玉、糸だけという、驚くほどシンプルな道具。それなのに、技の数は3万種類以上あるとも言われています。基本の技を覚えたら終わり、ということはなく、極めても極めても新しい技に出会える。そんな底の見えない奥深さこそが、けん玉ならではの魅力です。

いろいろな種類のけん玉

さらに調べていくと、「ストリートけん玉」というジャンルがあることもわかってきました。大きく玉を振り上げたり、自由な発想で技をつなげたりする、かっこいいけん玉スタイルには誰もが魅了されます。「けん玉=子どもの遊び」というイメージも、少しずつ変わってきているのかもしれません。

私も「これは、やってみたい!」という気持ちが、自然と湧いてきました。

お皿に乗った瞬間の「やったー!」

運動が得意でなくても、まずは一番簡単な技から、恐る恐るトライしてみる。それだけで、けん玉は十分に楽しめます。

最初は、玉がお皿にちっとも乗ってくれません。何度も転がり落ちる玉を見ながら、「向いていないのかも」と感じることもあるでしょう。それでも数回に一度、玉がスッとお皿に収まる瞬間がやってきます。理由はよくわからないけれど、成功したときはとてつもなく嬉しくて、思わず一人で声が出てしまう。自分でもその嬉しさにびっくりしたほどです。

けん玉が成功した瞬間の喜び

一つできるようになると、次はこれ、その次はあれ、と挑戦したい技がどんどん増えていく。できないことができるようになる、その積み重ねこそが、けん玉の一番の楽しみ方なのかもしれません。

隙間時間でもできるので、仕事の合間や家事の合間の気分転換に最適でした。ちょっとした休憩のたびに手が伸びる、そんな気軽さも、けん玉ならではの魅力です。

足腰の力を、知らず知らずのうちに鍛えられる

けん玉の技がうまく決まるコツは、実は腕の力ではありません。玉の動きに合わせて、膝をやわらかく曲げ伸ばしすることなのです。

これは、いわば自然なスクワット運動。20分けん玉で遊ぶだけで、スクワットを100回以上行ったのと同じくらい、膝を曲げ伸ばししているという報告もあります。

毎日20分のけん玉を30日間続けてもらったところ、太ももの力は平均22.3%、お腹まわりの力は平均66%もアップしたという結果が出ています。玉のリズムに合わせて体を動かすことで、太ももだけでなく、お腹まわりの筋肉もしっかり使われるのです。

けん玉の効果データ

足腰の力は、年齢を重ねるとともに落ちやすいと言われていますが、つまずいて転倒すると、思わぬ骨折や、そこから寝たきりにつながってしまうこともあるので、シニア世代にとって気をつけたいことのひとつです。

大切なのは、足腰の強さは、「立つ」「歩く」「転ばない」といった毎日の動作を支える、いちばん大切な土台だということです。

その足腰を楽しみながら鍛えられるのが、けん玉の大きな魅力です。

また、けん玉は、玉の動きに合わせて、体の重心を前後左右に細かく動かし続ける遊びでもあります。これは、片足立ちのような「転びにくい体」をつくるトレーニングの要素を、自然に含んでいます。いわば、遊びながら転倒予防にもつながる運動といえそうです。

頭を元気にし、もの忘れ予防にも役立つ

さらに、けん玉で遊ぶときは、「玉の動きを目で追う」「バランスを取る」「手を動かす」という、いくつものことを同時に行っています。このように、体と頭を同時に使う遊びは、脳のいろいろな場所を一気に働かせるために役立つと考えられています。

けん玉を続けた人たちは、ものを覚えるテストや、数字をすばやく数えるテストの成績も、はっきりと良くなっているという結果もあり、世界保健機関(WHO)では、もの忘れのリスクを減らすために、体を動かすことをすすめています。

自宅で気軽にできるけん玉は、こうした目的にもぴったり合う遊びだといえます。

また、けん玉の技のひとつである「もしかめ」のように同じ技をリズムよく繰り返す遊び方は、集中力を使うため、頭のよい体操になるともいわれています。

「できた!」の積み重ねが、心を元気にする

けん玉は、うまくいかないことが多いからこそ、技が決まった瞬間の「できた!」という喜びが大きいのも特徴です。

この小さな「できた!」の積み重ねは、「自分にもまだできる」という自信につながっていきます。

けん玉を始めてわずか30日で、こうした自信が育った人が4割以上にのぼった、というデータもあります。こうした自信の高まりは、気分の落ち込みをやわらげたり、ストレスを軽くしたりすることにもつながるといわれています。

体を動かすことによる引き締め効果と、「できた!」という喜びによる心の元気。この両方が一度に手に入るのも、けん玉がただの遊びにとどまらない理由です。

一人でも、仲間とでも

けん玉のいいところは、一人でじっくり練習する時間も、誰かと一緒に楽しむ時間も、どちらも心地よいことです。黙々と自分のペースで技に向き合う時間があってもいいし、うまくいった技をお互いに見せ合ったり、「せーの」でタイミングを合わせて挑戦する楽しさもあります。年齢も、けん玉を始めた時期がバラバラでも、その場にいる人みんなで盛り上がれるところが、けん玉ならではの心地よさかもしれません。

仲間と楽しむけん玉

まとめ ― けん玉が健活の第一歩としておすすめな理由

足腰が強くなる:膝の曲げ伸ばしで、足腰とお腹まわりを無理なく鍛えられる
転びにくくなる:重心を動かす動きが、バランス力を養う
頭が元気になる:体と頭を同時に使うことで、もの忘れ予防にも期待できる
心が元気になる:小さな「できた!」の積み重ねが、自信を育てる

特別な場所も、激しい運動も必要ありません。畳一畳ほどのスペースがあれば、どこでも始められます。玉の動きに集中して取り組むからこそ、体にも頭にも良い効果が期待できます。まずは1日10分、集中して取り組む時間をつくってみましょう。けん玉は、健活の中でも特におすすめしたい種目のひとつです。

仲間と楽しむけん玉

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作成日
2026/07/26 16:31
最終更新日
2026/08/13 18:41