
最近、友人のひとりが「フィットネス・スイミングをしている」という話しをしてくれました。それを聞いて、昔はよく泳いでいた私自身がもう20年近くプールから足が遠のいていることに気が付き、しばし呆然。行かなくなった理由は、なんとなく水着を着るのが面倒になったということだけ。
これはいかん!運動しなければ!と思ったものの、昔より体重は増えているし、今の自分に合うサイズの水着なんてあるのだろうか?という不安もある。さらに、スポーツクラブは月会費もそれなりにかかる。でも、まずは「気持ちいい」と感じられることが、心の健康にも必要なのではないか——そんなふうに試行錯誤した挙句に、まずは公共施設のを使って気軽に体を動かしてみよう!と思ったのが、プールに戻るきっかけとなりました。
・ただ体を委ねているだけで気持ちよかった
久しぶりに水に入ってみると、体を委ねているだけで、思った以上に気持ちがいいと感じました。理屈抜きに、これは行ってよかったなと思えた瞬間でした。
・水中ウォーキングは、見た目以上にしっかり筋肉を使う「気がした」
水の中を歩いてみると、簡単そうに見えて実はそうではありませんでした。水圧に逆らって進まないと体が振られてしまう感覚があり、歩いているだけなのに体幹をしっかり使っている気がして、私にとってはとても良いトレーニングに感じられました。
・膝が悪くても、ジャンプなどの動きがしやすいと感じた
私は膝に不安があるのですが、水中では自分の体重の負荷が軽くなるぶん、陸上では躊躇してしまうジャンプのような動きも試しやすいと感じました。

こうした感覚には、水の物理的な性質が関係しているようです。水中運動には主に「浮力」「水圧(静水圧)」「水の抵抗」「水温」という4つの特性があり、これが陸上運動とは違ったメリットを生んでいる、といろいろなところで言われているようです。以下は、あくまで一般的に説明されている内容として、参考程度に読んでいただければと思います。
・浮力
水中では、浮力の働きによって体重の負荷が軽くなるとされています。目安として、水位が肩まであると体重の負荷は1割程度、胸までだと3割程度、へそのあたりまでだと4〜5割程度、腰までだと5〜6割程度にまで減る、といった数値を挙げている資料もありました(出典によって数値には多少の幅があるようです)。膝や腰に痛みや不安がある人でも、陸上より動かしやすいと感じられるのは、こうした浮力の働きが関係しているのかもしれません。
・水圧
水の中に立っているだけでも、体は水圧を受け続けています。特に水位が深い脚には強い圧力がかかり、これがポンプのように働いて、下半身にたまりがちな血液やむくみを心臓へ送り返す助けになる、と述べているものがありました。また、胸まで浸かることで自然と呼吸が深くなり、腹式呼吸が促されやすいとも書かれていました。「水中ウォーキングをしただけなのに、なんだか体がすっきりする」という私の感覚も、こうした水圧の働きと関係があるのかもしれません。
・水の抵抗
水の中で動くと、動く方向と逆向きに水の抵抗を受けます。そのため、同じ動作でも陸上より消費エネルギーが大きくなりやすく、動くスピードや手のひらの向きを変えることで自分で負荷を調整しやすい、と解説する記事もありました。運動初心者や体力に自信のない人でも、無理のない範囲で始めやすいと言われているのは、こうした理由からのようです。
30分間ウォーキングをした場合の消費カロリーについても調べてみましたが、資料によってかなり幅がありました。厚生労働省などが公表しているMETs(運動強度の指標)をもとに計算すると、普通の速さの陸上ウォーキングは3.5メッツ程度、水中ウォーキングは4.5メッツ程度とされていることが多いようで、体重60kgの人が30分歩いた場合で計算すると、陸上で110kcal程度、水中で140kcal程度になるようです。
一方で、「陸上の1.5〜2倍程度になる」「30分で200〜300kcal程度」といった、もう少し高めの数値を挙げている記事もありました。歩くスピードや水位、体重によって差が出やすいようなので、あくまで目安として捉えるのがよさそうです。私自身の体感としても、同じ30分でも、水中の方がずっと疲れる、体を使っている実感がありました。
調べたところ、水中で自転車をこぐような動きの運動をすると、同じ強度の陸上運動に比べて心拍数の上昇が抑えられる一方で、心臓が一回の拍動で送り出す血液量は増える、という研究報告も見つかりました。個人差もあるかもしれませんが、心臓に無理な負担をかけずに循環器を使える運動として位置づけられているようです。
こうした特性から、水中運動は高齢の方や運動を再開したい方にとって、関節や心臓への負担を抑えながら体を動かしやすい方法のひとつとして取り上げられていることが多いようでした。

・専門店で試着してから選んでよかった
水着はフィットネスやスポーツ用の専門店で、試着をして選ぶのが個人的には安心できました。サイズ感を実際に確認できましたし、店員さんにアドバイスをもらえるお店だと心強いと感じました。
その際に、水着以外に市民プールで泳ぐときに必要なものも合わせて相談できたのがよかったです。私の場合は、ゴーグルと水泳帽、それから小さくてもたくさん水分を吸収してくれるセームタオルというものを勧めてもらいました。ゴーグルは色によって泳ぐ場所(屋内か屋外か、光の入り方など)に向き不向きがあるようで、その点も店員さんに相談すると良いと感じました。ちなみに私が行ったのは、新宿にある「スイミングスイマー」というお店でした。
・肩が痛い人には、セパレートタイプが着脱しやすいかもしれない
とにかく、脱ぎ着が楽なことが大きなメリットです。特に肩に痛みがある人には負担が少なく感じられ、プールに行くハードルが下がるように思います。それ以外にも、トイレに行くときに上下を一枚ずつ脱ぐ必要がなく楽だと感じました。久しぶりにプールへ通う人にとっては、こうした細かい使いやすさも、続けやすさにつながるのではないかと思います。
・フィットネス用と競泳用の違いについて
調べてみると、フィットネス用の水着は競泳用に比べて生地がしっかりめに作られている、といくつかのメーカーやお店の解説に書かれていました。競泳用の水着は、水の抵抗を減らすために生地を薄くしていることが多いようです。
プールで初めて水に浸かって感じたのは、水を含むと重くなるということでした。
泳ぐこと自体を中心にしたい人には、薄手で水の抵抗が少ない競泳用の水着が向いているのかもしれません。私自身は久しぶりの再開だったこともあり、まずは着替えが楽なフィットネス用のセパレート水着を選び、「プールに行くこと」自体を習慣にすることを優先しました。
プールに行くと、つい「何か目標を達成しなければ」という気持ちになりがちですが、それだと窮屈に感じてしまいます。私が大切にしたのは、プールに入って体を動かすことの気持ちよさを、まず感じることでした。泳がなくても、水に入るだけで水圧という刺激が体に入る、という説明もあるようなので、それだけで十分意味があると考えていいのではないかと思います。
「泳がなかったからダメ」ではなく、「プールに来て、水に入っただけでOK」——そんなふうに考えると、私自身は続けやすいと感じました。
久しぶりに運動を始めたい人にとって、市民プールはとても良い選択肢だと個人的には感じました。関節への負担が少なく、費用も抑えやすいのが魅力です。何より、水の中にいるだけで気持ちがいいと感じられたこと——それこそが、私にとって運動を「続けたい」と思わせてくれる一番の理由だったように思います。
もし興味を持たれた方は、まずは水着を一着用意して、近くの市民プールに足を運んでみてはいかがでしょうか。
※この記事は個人の体験に基づく内容です。持病がある方や体調に不安がある方は、始める前にかかりつけ医にご相談ください。